School of
Philosophical Practice 実践型哲学スクール

あなたの人生、そして世界は、この先、どうなっていくのが望ましいと思いますか。こう問われたとき、みなさんは自分の考えを言葉にできるでしょうか。

気候変動や貧困格差、パンデミックといった、さまざまな社会課題を抱える今日、私たち一人ひとりが、「自分は何を大事にしていきたいのか」という問いに直面しています。企業もまた、ESGやSDGsへの取り組みなど、その存在意義が問われ、事業の本質を突き詰めることがビジネスにおいても必要不可欠になっているといえるでしょう。

「私は何者か」「社会はどうあるべきか」……古来、哲学は、あらかじめ決まった答えがない問いに対峙してきました。2500年にも渡る思索の蓄積は、自身や組織の存在意義を深く考え言語化するうえで、大いに助けとなります。

本講座は、「講義」「文献講読」「特論(社会課題)」「対話」から編成され、大学の哲学科と類似した体験ができるようになっています。また、カリキュラムは、豊富な企業実績をもつクロス・フィロソフィーズ株式会社が設計しており、〈眼前の事象を自ら解釈し、その意味づけを与える〉という哲学的な営為をあなた自身が身に着けられるように講師陣が支援します。

3ヶ月の講座を通じて、本質をつかむ知的胆力を養い、独自の視点で世界を切り取る基軸を築いてみませんか。あなたの人生に哲学を実装する3ヶ月間が、ここにはあります。

クロス・フィロソフィーズ株式会社とは

専門的・体系的・対話的な哲学を社会実装する哲学コンサルティングファーム。哲学の専門知と方法論を活かして、組織の対話文化醸成や人材育成、ビジョン構築・共有、社会課題に関するコンサルティング、経営者向けのコーチングやセミナーを行っている。株式会社リクルートやライオン株式会社など、数々の大手企業や産官学連携プログラムでの実績があるほか、『日経新聞』『週刊ダイヤモンド』など、メディア掲載・出演多数。

ウェブサイト:https://c-philos.com

Online
School オンライン開催概要

定員 60名
80名
※お申し込み多数につき増枠いたしました。
※満員となりましたらキャンセル待ちとなります。
対象
  • ビジネスの現場や実社会の社会課題、日常生活で活かせるような実践的な哲学を学びたいという方
  • 大学に通うほどではないけど、大学の哲学科で学べるような哲学の全体像をつかみたいという方
  • 自分の仕事や人生について深く考え、指針を確立したり、リーダーシップを発揮できるようになりたい方

予備知識は必要ありません。講義およびディスカッションは、なるべく平易な言葉を使っておこなわれますので、どなたさまもお気軽にご参加ください。

募集期間 2021年8月5日(木)〜9月25日(土)
受講日 2021年10月9日(土)〜2021年12月18日(土)
全11回・毎週土曜 20:00〜21:30
受講料 48,000円(税別)(税込 52,800円)
36,000円(税別)(税込 39,600円)
※初回特別料金:初めての開講につき、今回は特別割引での開催となります
会場 Zoom+オンラインコミュニティ(SNSツールのdiscordを使用)
主催 クロス・フィロソフィーズ株式会社
その他
  • お申込はPeatixリンクよりお申込ください。申込多数の場合は先着順とさせていただきます。
  • 各講義の録画を受講者向けに限定公開(講義後一定期間)いたしますので、一部日程に参加できない場合でも受講可能です。
  • Zoomはミーティング形式での開催ですが、画面オフの参加でも構いません。

3 months
3 subjects3ヶ月間で3科目を修める
カリキュラム

講義の流れ

本講座では、「哲学概論」「文献講読」「哲学×社会課題」の3科目を、各1ヶ月(計3ヶ月)かけて学んでいきます。各回、受講者同士でディスカッションの機会があるほか、オンラインコミュニティでも質問等していただけます。2~3ヵ月目は、下記のA~Cコースに分かれ、学びを深めていきます。全課程を修了された方には、「第1期修了証」を授与します。

1ヵ月目

10/9
10/16
10/23
10/30

哲学概論(吉田幸司)

「哲学コンサルティング」が企業で導入されるなど、哲学の専門知や手法を実社会に取り入れる動きが急激に加速しています。この講義では、古代から現代にいたる哲学の流れを概観するとともに、今日の世界で哲学がどんな意義を担いうるか考えていきます。また、参加者同士での対話を通じて、さまざまな問いを自分ごと化し思考を深めていきます。

講義の概要

  • 「哲学する」とは?哲学は何ではないのか?
  • 古代から現代までの哲学の変遷
  • 世界的に広がっている哲学コンサルティングの最新動向
  • さまざまな「問い」に関する参加者同士での対話
  • さらに哲学を学んでいくための読書案内

2ヵ月目

11/6
11/13
11/20
11/27

文献講読(A~Cコースの各講師)

社会課題に関わる文献を読み、その根本的な問題が何なのかを哲学的に考えます。3つのコースでそれぞれ異なる文献を講読しますので、関心のあるコースを選択してください。(定員超過の場合は抽選の上、他コース受講となることがあります。)

Aコース:イノベーションと未来社会のための哲学
講師:吉田幸司・清水友輔

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イノベーションの先に何を見据えるのか。私たちは今、このことを問われています。求められているのはディストピアに行き着く変化ではなく、〈より善い社会・より善い生き方〉に向けてのイノベーションだからです。
そのためには、技術的・経済的な観点だけでなく、哲学的・倫理的な観点も必要です。現に、近年では科学技術・イノベーション基本法や経団連の提言に、哲学・倫理の必要性が盛り込まれました。
人類社会を一変させうるテクノロジーを前に私たちが直面しているのは、〈人間とは何か、人間はいかにあるべきか〉という問いに他なりません。例えば、AIによって多くの仕事が代替されたなら、労働から解放された私たちは何をして過ごせばよいのでしょうか。より善く生きるために、人間が本当にやるべきこととは何なのでしょうか。
本講義では、技術哲学とAI・ロボット倫理学の第一人者M. クーケルバークの『AIの倫理学』を読みながら、技術と人と社会の関係について考えます。普段は落ち着いて考える機会のない〈より善い未来社会〉や〈人生の意義〉について、腰を据えて向き合ってみませんか。

Bコース:他者と共生するための哲学
講師:山野弘樹

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本講義においては、テッサ・モーリス=スズキの著作『過去は死なない』を読むことを通して、「歴史とは何か?」というテーマに取り組んでいきたいと思います。「歴史」とは、単に「過去の事実」を意味する言葉であると思われがちですが、実際はそれよりもはるかに複雑なものです。本講義では、「20世紀の歴史哲学」入門という性格も持たせつつ、テッサの優れた歴史哲学のエッセンスを解説していきたいと思います。さらに、現代フランスを代表する哲学者、ポール・リクールとエマニュエル・レヴィナスの歴史論を、原文のフランス語の解説と共に学ぶことができるというのも、本講義の大きな魅力の一つです。
本講義を通して、私たちは「歴史」という概念を高度なレベルで熟慮・検討できる思考力を身につけることを目指します。これからの21世紀社会の在り方を考える上でも、そして組織やチームの理念を策定する上でも避けることのできない「歴史」という問題に取り組むための思考力を、一緒に養っていきましょう。

Cコース:死ぬことと生きることを考える
講師:外村江里奈

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「いま、あなたは、自分や大切な人に何をプレゼントしたいですか。」実はこの問いが、哲学的営為の扉を開くカギとなります。
本講義では、この問いを出発点として、生きること、死ぬこと、自分という存在、他者との関係…これらをめぐる「あたりまえ」を問い直し、受講者とともに考えます。
とくに死生観や生命倫理が問題となる事例を哲学的思考で検討することで、「いま、ここ」の豊かさや日常の「いのち」のあり方をあらためて捉えていきます。
一般に哲学は、「答えのない問い」を思考し続けるものといわれます。本当にそうでしょうか。本講義で、考えるとはどういうことか、死とは何か、時間とは何か、自分とは何か、善悪と価値判断について思考することで、問いと答えの関係それ自体も考えていきます。
これまでとは異なる視点から自身や世界を見渡し、「あたりまえ」という神秘を感受する力を磨いて、日常の中にあふれている哲学を体験してみませんか。

3ヵ月目

12/4
12/11
12/18

社会課題と哲学(A~Cコースの各講師)

文献講読でテキストに即して学んだことを、実社会の具体的問題に即して考えていきます。第2週終了後に、自分にとって何が真の課題であり、それに向き合う意義は何なのかを考察し、ここまでの学びや気づきを各自Googleフォームで投稿していただきます。第3週の最終回に、講師からのフィードバック、全受講者でのディスカッション、修了式を行います。

Aコース:最先端テクノロジーがもたらす哲学的問題
テーマ:フードテックやAIは私たちの生の意味をどう変えうるか?
講師:吉田幸司・清水友輔

Bコース:VUCA時代における対話的思考の哲学
テーマ:いかにして多様性を尊重することができるのか?
講師:山野弘樹

Cコース:医療技術の発展と生と死のあり方
テーマ:脳死・臓器移植医療と哲学的課題、安楽死・尊厳死と日常における「いのち」の再考
講師:外村江里奈

Lecturer &
Adviser 講師・アドバイザー

吉田幸司Koji Yoshida

クロス・フィロソフィーズ(株)代表取締役社長、博士(哲学)。上智大学文学部PD、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を務めたほか、上智大学や東京女子大学、東京工芸大学の非常勤講師として、哲学史、自然科学史、科学技術の倫理、美学などの講義や文献講読を担当してきた。日本ホワイトヘッド・プロセス学会理事、『BIZPHILO』編集長。著書に『哲学シンキング』(マガジンハウス)、共著書にBeyond Superlatives(Cambridge Scholars Publishing)などがある。

Twitter: https://twitter.com/yosh_kj

山野弘樹Hiroki Yamano

東京大学大学院総合文化研究科(超域文化科学専攻)博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員DC1。専門は現代フランス哲学(とりわけポール・リクールの思想)、及び「対話的思考」の技術の開発。代表的な論文は「リクール『時間と物語』における「比喩論的アプローチ」――「歴史記述」のフィクション性をめぐって」(日本哲学会編『哲學』、第71号、2020年)。また、東京大学UTCPにおいて、数多くの一般の方向けのオンライン・イベントの企画・運営を担当。

Twitter: https://twitter.com/Ricoeur1913

外村江里奈Erina Sotomura

早稲田大学社会科学研究科修了。博士(学術)。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター講師を経て、現在、東洋大学、清泉女子大学非常勤講師および(一社)社会科学総合研究機構理事。専門は社会哲学、生命倫理、アカデミック・ライティング。博士学位論文に『現代医療と生命倫理の哲学的基礎に関する考察―「脳死・臓器移植」および「尊厳死」を事例として』、論文に「現代社会における生命観の再考―生命倫理におけるパラダイム転換について」(早稲田大学社会科学研究科ソシオサイエンス)などがある。

researchmap: https://researchmap.jp/zoerina-_-

清水友輔Yusuke Shimizu

中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程を経て、現在、クロス・フィロソフィーズ(株)で、企業向け「哲学シンキング」のファシリテーターや「哲学シンカー」養成セミナー講師などを担当。萌芽的科学技術の哲学・倫理学的課題を扱う産官学連携プログラムにも「哲学コンサルタント」として参画。「フェスティバル/トーキョー20」に哲学担当で参加するなど、アーティストとのコラボレーションも行っている。哲学、ビジネス、テクノロジー、アートを架橋する仕事に多数従事している。

哲学シンカー®養成講座: https://tetsugaku-thinking202109.peatix.com/

アドバイザー:
大橋容一郎Yoichiro Ohashi

クロス・フィロソフィーズ(株)顧問。上智大学文学部哲学科教授、放送大学客員教授、日本哲学会評議員、日本カント協会元会長、グリーフケア研究所元副所長。共著書に『カント事典』、『グローバル・エシックスを考える』、『生命倫理百科事典』、『死ぬ意味と生きる意味 : 難病の現場から見る終末医療と命のあり方』、『人間の尊厳を問い直す』など、他多数。

researchmap: https://researchmap.jp/read0025450/

クロス・フィロソフィーズ株式会社
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