Information 第3期ご案内

第3期は、2022年10月から開講します。
共生の哲学をテーマに、世代間倫理、環境美学、ケア、共感、多様性などについて扱う予定です。
募集開始の案内を希望される方は、下記からお申し込みください。
※現在の当サイトの情報は第2期のものです。

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    School of
    Philosophical Practice 実践型哲学スクール

    思い通りにならない世界とあなたはどう向き合い、どう生きていきますか。こう問われたとき、あなたは自らの指針を言葉にできるでしょうか。

    気候変動やパンデミック、激変する世界情勢のなか、私たち一人ひとりが「これからの人生、自分はどう生きていくのか」という問いに直面しています。しかし、そうは言っても、自分一人で腰を据えて考えるのはなかなか難しいのではないでしょうか。

    「私は何者か」「なぜ世界はこのようにあるのか」……古来、哲学は、決められた答えのない問いに対峙してきました。2,500年にも渡る思索の軌跡は、あなた自身の考えを深め、言語化していくうえで、大いに助けとなります。

    本講座は、「入門講義」「文献講読」「言語化」「対話」から構成され、講師陣や他の受講生と交流できるオンラインコミュニティが用意されています。また、カリキュラムは、豊富な企業実績をもつクロス・フィロソフィーズ株式会社が設計しており、あなた自身が仕事や人生に対して〈自ら解釈し、その意味づけを与える〉という哲学的営為を身に着けられるように支援します。

    先哲に学び、同志と対話することで、これからの生き方や働き方、社会との関係について、じっくり考えてみませんか。3ヵ月の講座を終える時には、自らの言葉で哲学的に捉え直した人生を新たに歩んでいけるようになるはずです。

    クロス・フィロソフィーズ株式会社とは

    専門的・体系的・対話的な哲学を社会実装する哲学コンサルティングファーム。哲学の専門知と方法論を活かして、組織の対話文化醸成や人材育成、ビジョン構築・共有、社会課題に関するコンサルティング、経営者向けのコーチングやセミナーを行っている。株式会社リクルートやライオン株式会社など、数々の大手企業や産官学連携プログラムでの実績があるほか、『日経新聞』『週刊ダイヤモンド』など、メディア掲載・出演多数。

    ウェブサイト:https://c-philos.com

    Online
    School オンライン開催概要

    定員 80名(残席僅か)
    ※満員となりましたらキャンセル待ちとなります。
    対象
    • 自分が仕事やライフワークに取り組む意味を哲学的に掘り下げ、実社会での実践に反映させたいという方
    • 大学に通うほどではないけど、大学の哲学科で学べるような哲学を体験してみたいという方
    • 社会と自分の関係を哲学的に捉え直し、指針を確立したり、リーダーシップを発揮できるようになりたい方

    予備知識は必要ありません。講義およびディスカッションは、なるべく平易な言葉を使っておこなわれますので、どなたさまもお気軽にご参加ください。

    募集期間 2022年5月13日(金)まで
    受講日 2022年5月14日(土)〜7月30日(土)
    全11回・毎週土曜 20:00〜21:40 ※7月23日は休講
    受講料 48,000円(税別)(税込 52,800円)
    ※選択したコース以外の講義動画もアーカイブ視聴できます
    会場 Zoom+オンラインコミュニティ(SNSツールのdiscordを使用)
    ※講義とは別に、コースを越えた交流の場としてFriday Lounge(金曜夜、入退出自由)を用意しています
    主催 クロス・フィロソフィーズ株式会社
    その他
    • お申込はPeatixリンクよりお申込ください。申込多数の場合は先着順とさせていただきます。
    • 各講義の録画を受講者向けに限定公開(講義後一定期間)いたしますので、一部日程に参加できない場合でも受講可能です。
    • Zoomはミーティング形式での開催ですが、画面オフの参加でも構いません。

    3 months
    3 subjects3ヶ月間で3科目を修める
    カリキュラム

    講義の流れ

    本講座では、「入門講義」「文献講読」「アウトプット」の3科目を、各1ヶ月(計3ヶ月)かけて学んでいきます。各回、受講者同士でディスカッションの機会があるほか、オンラインコミュニティでも質問等していただけます。2~3ヵ月目は、下記のA~Cコースに分かれ、学びを深めていきます。全課程を修了された方には、「第2期修了証」を授与します。

    1ヵ月目

    5/14
    5/21
    5/28
    6/4

    入門講義「自分の人生を生きるための哲学」(山口尚)

    あなた自身の人生について哲学的に考えるために、「自由」を切り口にして先哲の議論に学びます。思い通りにはならない世界とどのように向き合っていくか。講義と参加者同士での対話を通じて、問題意識を育て、考えを深めていきます。

    講義詳細をみる

    よりいっそう自由になるために、自由について一歩踏み込んで考えてみる――これが今回行ないたいことです。具体的には、「自由」を全体的なテーマとして選び、デカルト、ホッブズ、スピノザという近代の偉大な哲学者たちの議論を参考にしながら、現代に生きる私たちにとって役立つ探求に取り組みます。巨人たちの肩に乗りつつ、自分の頭で考えることで、自由についてさらに遠くまで見通してみたいと考えています。
    取り組まれる問いのひとつは《どうすれば自由に生きられるか》です。私たちは世界の一部に過ぎない有限的な存在であり、したがって何でも思い通りに実現する自由を有しません。哲学の歴史においては多くのひとがこうしたドライな現実と向き合いながら、それでも絶望せずに、自由にかんして提案を行なってきました。デカルト、ホッブズ、スピノザもまたそれぞれ独自の自由論を展開しています。その各々を理解することは、世界が私たちに押しつけてくる「運命」とどう向き合うかの指針となるでしょう。〈自分にとって完全にはコントロールできない世界と「うまく付き合って」自由に生きる道〉、これを私たちにとって理解できる形で切り拓くのが全体の目標です。

    2ヵ月目

    6/11
    6/18
    6/25
    7/2

    文献講読(A~Cコースの各講師)

    社会と自分の関係性を問い直す文献を読み、自身の人生について哲学的に考えます。3つのコースでそれぞれ異なる文献を講読しますので、関心のあるコースを選択してください。(定員超過の場合は抽選の上、他コース受講となることがありますが、全コースともアーカイブ視聴できます。)

    Aコース:思想の自由を考えるための哲学
    講師:三浦隼暉

    コースの詳細をみる

    本講義では、日本を代表するスピノザ研究者である上野修の著作『スピノザ『神学政治論』を読む』の読解を通して、現代社会の中で生きていくさいの自由について問い直していきます。「神学」という言葉でギョッとされる方もおられることと思いますが、スピノザが生きた十七世紀において聖書の教えは「社会通念」のようなものでありました。現代でも形は違えど多くの社会通念が存在し、私たちは普段そうした通念やルールというものから逸脱しないように自らの手綱を引いて暮らしています。ですが、ときに社会通念と私たち個人の考えが衝突するという経験が皆様方にもありはしないでしょうか。スピノザもまた当時の通念であった神学とぶつかり、無神論者の誹り(今で言えば「非国民」と呼ばれるようなもの)を受けることさえありました。『神学政治論』とは、そのような状況のなかでも、各個人が自らの考えを主張すること(頭の中に抱くだけではありません)を恐れるべきではないと伝えようとする自由の書でした。
    社会の中で何となくブレーキをかけてしまっている自らの思考をもう少しだけ推し進めるために、ぜひ一緒に学んでいきませんか。

    Bコース:他者と共に生きることの意味を考える
    講師:石井雅巳

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    「他者」と聞いて、みなさんはどのような存在をイメージするでしょうか。家族や恋人、友人など、大切で親しみのある存在でしょうか。あるいは、電車で偶然隣り合うような、名前も知らず言葉を交わすこともない誰かでしょうか。それとも、自分とは意見が真っ向対立し、場合によっては敵対するような異質で緊張感のある相手でしょうか。
    このコースでは、多様に語られうる「他者」とはいかなる存在なのか、そのような他者と「倫理的な関係」を結ぶとはどのようなことなのかを徹底的に考え抜いたエマニュエル・レヴィナスのテクストをゆっくりと精密に読んでいきたいと思います。レヴィナスの文章はたしかに難解ですが、必要となる前提知識は適宜フォローしていくので、初学者の方も歓迎します。自分ひとりでは読み解くのが困難なテクストにみんなで挑戦できるのも文献講読の良さと言えるでしょう。
    「他者との共生」がさけばれて久しい今日ですが、レヴィナスのテクストを介して、今一度他者とともにあるとは一体何であるのかをみなさんとともに考えていければと思います。

    Cコース:運から考えるよりよい生き方
    講師:阿部崇史

    コースの詳細をみる

    私たちの自由や選択あるいは生き方にとって、運はどのような意味を持つのでしょうか。現代社会では、自らの生き方を自由に選択することが、よりよく生きるために重要だと考えられています。しかし、私たちの生き方は、リスクや偶然といった、必ずしも自らコントロールできない要素——これらを「運」と呼ぶ——に大きく影響されます。例えば、新型コロナウィルスの感染リスクによって、私たちの生活のあり方は大きく変化しています。また、生まれた家庭や地域といった偶然的事情が人々の教育やキャリアの選択に重大な影響を与えることが、大きな社会問題となっています。
    本講義で扱う『実力も運のうち』において、著者のサンデルは、現代社会で広く支持される能力主義——選択(努力)と才能によって誰もがよい地位や報酬を獲得できる——が、このような運の影響を無視していると論じています。この議論から学び、ときには批判することを通じて、運が影響する場合に選択や自由がどのような意味を持つのか、あるいは、私たちの社会は運の影響にどう対応すべきか、といった問題を考えていきましょう。

    3ヵ月目

    7/9
    7/16
    7/30

    アウトプット(A〜Cコースの各講師)

    2ヶ月間の学びを自分の人生に適用し、あなた自身の問題に即して考えていきます。日々取り組んでいることをどのように位置づけ、自分と社会や世界との関係をどう捉え直していくのか。講師のサポートと受講生同士のディスカッションを通して、自ら言語化し、Googleフォームで投稿していただきます。第3週の最終回に、講師からのフィードバック、受講生全体でのディスカッション、修了式を行います。

    共通テーマ:あなた自身の人生をどう捉え直すか?
    Aコース講師:三浦隼暉
    Bコース講師:石井雅巳
    Cコース講師:阿部崇史

    Lecturer &
    Adviser 講師・アドバイザー

    山口 尚Sho Yamaguchi

    京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在は大阪工業大学非常勤講師、京都大学非常勤講師。専門は、形而上学、心の哲学、宗教哲学、自由意志について。著書に『日本哲学の最前線』(講談社現代新書、2021年)、『哲学トレーニングブック——考えることが自由に至るために』(平凡社、2020年)、『幸福と人生の意味の哲学——なぜ私たちは生きていかねばならないのか』(トランスビュー、2019年)などがある。

    researchmap: https://researchmap.jp/free_will

    三浦隼暉Junki Miura

    東京大学人文社会系研究科博士課程在籍。桜美林大学非常勤講師。専門は西洋近世哲学および生命思想史。主な研究テーマとして、十七世紀の哲学者ライプニッツに関する新たな実在論的解釈を提示することを目指す。主な著作として、「後期ライプニッツの有機体論——機械論との連続性および不連続性の観点から——」(『ライプニッツ研究』第5号)、「経験からの要求と実体的紐帯——後期ライプニッツにおける複合実体の問題」(『哲学雑誌』第135号)など。日本ライプニッツ協会第七回研究奨励賞受賞。

    researchmap: https://researchmap.jp/junki1129

    石井雅巳Masami Ishii

    慶應義塾大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻後期博士課程在籍。日本学術振興会特別研究員DC2。立教大学RA。専門はレヴィナスおよび西周の哲学。著書に『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)、共著・共訳書に『個と普遍:レヴィナス哲学の新たな広がり』(法政大学出版局)、『西周 現代語訳セレクション』(慶應義塾大学出版)、『在野研究ビギナーズ』(明石書店)、ハーマン『四方対象』(人文書院)。論文に「レヴィナスにおける反-歴史論の展開と変遷」(『倫理学年報』第70集、和辻賞受賞)ほか。

    researchmap: https://researchmap.jp/masaishii

    阿部崇史 Takafumi Abe

    日本学術振興会特別研究員(PD・早稲田大学)、法政大学兼任講師。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、政治哲学、法哲学、倫理学。主な研究関心は、責任観念の再検討、社会における自由と選択肢、選択と運の関係。主な論文として、「責任と平等——帰結引き受け責任と行為者性行使責任」(新村聡・田上孝一編著『平等の哲学入門np』)、「活動内在的運と活動外在的運——自律基底的運の平等主義と選択的運/厳然たる運の区別」(『法哲学年報2019』)。

    researchmap: https://researchmap.jp/takafumi.abe11

    企画・進行

    吉田幸司Koji Yoshida

    クロス・フィロソフィーズ(株)代表取締役社長、博士(哲学)。上智大学文学部PD、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を務めたほか、上智大学や東京女子大学、東京工芸大学の非常勤講師として、哲学史、自然科学史、科学技術の倫理、美学などの講義や文献講読を担当してきた。日本ホワイトヘッド・プロセス学会理事、『BIZPHILO』編集長。著書に『哲学シンキング』(マガジンハウス)、共著書にBeyond Superlatives(Cambridge Scholars Publishing)などがある。

    Twitter: https://twitter.com/yosh_kj

    ファシリテーター

    清水友輔Yusuke Shimizu

    中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程を経て、現在、クロス・フィロソフィーズ(株)で、企業向け「哲学シンキング」のファシリテーターや「哲学シンカー」養成セミナー講師などを担当。産官学連携プログラムや「フェスティバル/トーキョー20」に哲学担当で参加するなど、哲学、ビジネス、テクノロジー、アートを架橋する仕事に多数従事している。

    アドバイザー

    大橋容一郎Yoichiro Ohashi

    クロス・フィロソフィーズ(株)顧問。上智大学名誉教授、放送大学客員教授、日本フィヒテ協会会長、日本カント協会前会長、グリーフケア研究所元副所長。共著書に『グローバル・エシックスを考える』、『死ぬ意味と生きる意味 : 難病の現場から見る終末医療と命のあり方』、『人間の尊厳を問い直す』など、他多数。

    Archives 過去開講アーカイブ

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